<Q> 現在、借地している土地上に自分の建物を建てて住んでいます。 地主さんに相続が発生した様子で、買い取って欲しいと言ってきました。 妥当な価格はどの位でしょうか? ちなみに、路線価は「98D」、地積は100平方メートルです。
<A> いくつかの概念があるため、順番に説明します。 まず、「借地権」は土地の利用権であり、地主さんの権利である所有権は「底地」といいます。この場合は「底地の買い取り」ということになります。 路線価は相続税の課税のための評価であり、実勢価格の8割を目途とされています。そのため、「98D」で100平方メートルあれば、更地価格で1225万円程度でしょう。 借地権割合は一般の借地権取引についての標準的な割合が記載されているものです。「98D」であれば60%であり、上記から標準的な借地権価格は735万円程度、底地価格は490万円程度です。 今回の場合、借主が貸主から購入予定(借地している人による底地の買い取り)のため、一般の借地権取引には該当しません。なぜなら、質問者が購入すれば長年借地関係にあった土地の完全所有権が手に入るからです。 この場合の相場ははっきりしません。もめたくなければ、一般の借地権取引の価格の1割増程度~2倍程度は覚悟しておいた方がよいと思います。地主さんは長年お付き合いをされた方ですから、訴訟等は避けたいところです。 価格が高いと感じるようであれば、地主さんと合意の上、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼するとよいでしょう。妥当な価格を鑑定してくれます。