<Q>
自宅の隣の人が引っ越したので、その土地を買いたいと思っています。
詳しい住所も知らないのですが、どうやって調べたらいいでしょうか?
また、妥当な価格はいくらでしょうか?
<A>
まず、不動産の所在地番の調べ方ですが「所在地番」は郵便が届く住所である「住居表示」とは異なるので注意が必要です。管轄の法務局に行き、調べる土地の「公図」を申請・取得します。今回の場合、自宅の隣ということなので、自宅の土地の所在・地番で申請しても隣接している土地が一緒に出ている可能性は高いでしょう。ない場合は窓口でこの隣の土地の公図を取得したいと申し出て下さい。これで隣の土地の「所在」と「地番」が判明するはずです。
次に、判明した所在・地番で土地の「全部事項証明書」を申請・取得します。「所有者」や「地積」等が判明するはずです。
以上で、隣の土地の詳細は分かります。
妥当な価格を求めるには、まずその地域の価格水準やその不動産の個別性を知る必要があります。地価公示・地価調査の価格と比較したり、路線価と比較して、地域の価格水準や個別性についておおよその価格を判断できます。「1㎡あたり○○円」や「1坪あたり○○円」といった単価で求めるのがよいでしょう。
通常の売買であればこの価格が妥当な価格ということになりますが、今回の場合、隣の土地を購入する、ということであり、2つの不動産を一体的に利用することによる経済価値の増分が発生します(不動産鑑定評価基準では「限定価格」と呼んでいます)。つまり、隣の土地を購入する場合、一般的に第三者が購入する価格よりも高い価格で購入することが妥当である、ということです。
この場合の相場ははっきりしません。もめたくなければ、通常の土地売買価格の1割増程度~2倍程度は覚悟しておいた方がよいと思います。
価格が高いと感じたり、後々隣の土地の所有者ともめたくなければ、隣の土地の所有者と合意の上、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼するとよいでしょう。妥当な価格を鑑定してくれます。